音楽はいいですね。歌はいいですね。クラシックの名曲を聴いても、童謡を歌っても、脳内ホルモンがじわっと分泌されるのでしょう、心地よくなります。
町内放送で、鎌倉では毎日午後5時に童謡『夕焼小焼け』(中村雨紅作詞・草川信作曲)が童心をくすぐるように流れます。私が週末農業に通う筑波山麓の町では正午前にウェルナーの『野なかの薔薇』が牧歌の響き豊かに流れます。
私たちは日常生活において歌と無意識に繋がっていて、歌に心和まされることに気付かされます。春、滝廉太郎の『花』が街に流れると、私は自然と低音部を口ずさんで合唱し、昔、母が亡くなる前の1年ばかり病院のベッドの母を見舞っては、子供時代からこの『花』を母と何千回となく合唱したことを思い出します。
人はなぜ歌うか――というタイトルのNHKテレビの人間講座で8年も前に永六輔さんが10回ほどに分け、自らの研究成果を説かれました。その答えは「人は快感を求めて歌う」でした。その通りですね。人は快感を求めて歌を歌うし、歌って快感を得るのですね。
上記のような童謡、愛唱歌、歌曲など素敵な歌が私たちの身の周りに沢山あります。例えば「野ばら社」の『愛唱名歌』という歌集にはそれらの歌が350曲ばかり収載されています。
それらの歌を毎月、月替わりで10数曲、ホールに会してみんなで歌おう、というのが「湘南童謡楽会」です。そのオープニングの曲は『故郷』(高野辰之作詞・岡野貞一作曲)、エンディングの曲はドボルザークの『遠き山に日は落ちて』です(現時点で)。みんなで歌う楽しさを再発見し、歌に感動し、心を元気にし、日々の暮らしを彩り豊かなものにしていただくこと。それが会の目的です。どうぞご夫婦であるいはお友達と一緒にご参加下さい。お待ちいたしております。

2011年10月吉日
「湘南童謡楽会」代表 宮崎隆典