第17回月例会報告(2/19)

●第17回月例会は2月19日(火)、約80人の会員参加の下、藤沢市労働会館で開きました。心配した雪が朝からちらほら降る生憎の悪天候(開会中の2時ごろから大雪)でしたが、80人中の約20人は、新聞で紹介された会の童謡・愛唱歌運動の理念や目的、そして月例会を中心とした会の運営ぶりに、興味や魅力を感じて下さった方々でした。首を長くしてこの日を待っていて、雪など問題にせず、と駆け参じて下さったことが何より嬉しい月例会となりました。
●この月の例会は、歌唱指導はお馴染み・おざきかよさん、ピアノ伴奏は堀部ともよさんでした。そのご紹介をして、歌の時間へ入りましたが、その前に、初参加の方々のために、会の目的などにつきお話ししなければと、要点をお伝えしました。
●おざきさんの指導でみんなで歌った歌は、以下の通りです。
 <一緒に歌った曲>:『故郷』、『鳩』、『子守歌(江戸子守唄)』、『通りゃんせ』、『幸せなら手をたたこう』、『手のひらを太陽に』、『オールド ブラック ジョー』、『故郷の人々』、『坊がつる讃歌』、『早春賦』、『箱根八里』
●月例会の資料を毎月作って配布していますが、この月の資料には、会代表としての童謡・愛唱歌への真っ直ぐな思い=”童謡賛歌”=をしたためました。
ならばこの月例会報告にもそれを書き残す意味がある。そう判断し、第17回月例会報告の続編として、資料の必要部分を転載します。また、ついでに”オペラこぼれ話”なども併せて転載します。以下をぜひお読み下さい。

(文責:宮崎)


《17回報告続編=2月配布資料より》
<記憶・体験・宝物・生き甲斐>
毎月のこの資料についてです。資料の空きスペースに当日歌った曲をメモするなどしてファイルして下さっている方や、資料を読むのが楽しみと言っていただける方もあり、有難いことです。お役に立っているのですね。折々に読み返し「あの歌は、あの日は楽しかった」と振り返り、「おっと、もっと元気でいなくちゃ」と自らを奮い立たせる材料にしていただけたらと願っています。
脳生理学では”記憶は育ち続ける”、とされます。体験(記憶)を深め磨き、それを今に生かす――。そのように趣味と向き合うことで、どんな趣味も、いや人生におけるすべての体験が自分の宝物になるのだと思います。その宝物を作ることが、すなわち生き甲斐であるし、生涯現役という言葉も、そう生きることで初めて意味のあるものになるわけですよね。
<人はなぜ歌うか、を考える/童謡・愛唱歌、を分析する>
*人はなぜ歌うか・・・。私ごとですが、その「なぜ?」の探求を研究テーマにしています。昔、岩手県遠野市のわらべ歌研究家・阿部ヤヱさんを訪ねたり、永六輔さんがNHK教育テレビで、同名のタイトルで講義した番組(9回シリーズ、2003年)を見たりしました。永さんは「快感を求めて歌う」と結論付けましたが、それに間違いはないと思います。人は「幸せを求めて歌う」。「なぜ?」の答えをいまはそう理解しています。
 *日本の童謡や愛唱歌はその目的にぴったり叶う歌です。決定的に”やさしい”です。易しくかつ優しい(文化として見て)。また純粋で美しく(芸術として見て)、楽しく味わい深く(音楽として見て)、そして曲の世界のイメージが大きく膨らむ(生活者として見て)・・・。童謡・唱歌を私はそのように分析しています。
*その歌のテーマはと見れば、自然・季節・風物を歌ったものから、動物・植物を歌ったもの、子守唄や子供の遊びの歌、人や人生の歌に至るまで、それこそ森羅万象にわたっています。歌の数たるや何千にも及ぶでしょう。「世界に誇る日本の童謡・愛唱歌」という評価は、そのように、名実ともに当っているのです。
*人の哀歓や情愛を歌う日本の流行歌にも、人生を歌うシャンソンにも、黒人霊歌にも、ロシア民謡にも、Jポップにも、あるいは歌曲にも、日本の童謡・愛唱歌は負けていない! と私は見ています。
*湘南童謡楽会で使用しているテキスト『愛唱名歌』には四季折々の、また代表的な曲310余りが収載されています。この中から毎月10数曲をベテランの歌唱指導者の指導の下、曲を正しく理解し、みんなで味わい深く歌うというのは、「世界に誇る歌を生きたものにする」最良の方法だと思います。そして、みなさんそれぞれが、1つでも2つでも、10でも20でも好きな歌をもち、それを恋する歌にも、さらに自家薬籠中の歌にも育てて行って下さったら、と願っています。幸せ気分のとき、辛いとき、悲しいとき、落ち込んだときに、薬籠からどれかを取り出して歌い、自らを元気にし、癒し、慰められたらと。
<ショーペンハウエル・ニーチェ・茂木健一郎>
前にも書きましたが、ドイツの哲学者ショーペンハウエルは「人生の苦労や悩みを救うのは芸術である」と、そして同じくニーチェも「音楽なしで、生をとらえることはできない」と言っています。また我らが茂木健一郎氏は「音楽は脳に喜びをもたらし、心身を健やかにし、生命を積極的に全うさせてくれる」と述べています(『すべては音楽から生まれる』、PHP新書)。音楽の意味を噛み締めてみたいものです。
<「横浜スロバキア国立オペラフェスティバル2013」のお礼>
 友人・長谷川洋行さんがプロデュースする上記オペラの観劇をしつこくお願いし、沢山の方々が県内各地で上演された「椿姫」と「メリーウィドウ」をご覧下さり、誠に有難うございました。1月23日夜の逗子公演ではスロバキア大使が挨拶されましたが、満席(550)ではなかったものの、まずまず納得の盛会となり、国際親善の一助を果たせましたし、私も面目を保てました。重ねて厚くお礼申し上げます。
 スロバキアはあのソプラノ・グルベローバの出身国ですし、オペラ王国の一つです。今公演は、本場のオペラを低料金(3500円)で日本のファンに観てもらう活動を15年も続けている”長谷川式”の公演。日本語のナレーションでストーリーを紹介し、ピアノ伴奏で歌手が歌うというものでした。いわばダイジェスト版ですが、スロバキア歌劇団選りすぐりの歌手たちの歌は一級品で、どの会場でもブラボーコールがあった由。わが会からの参加者のみなさんには、異口同音に「感激した」「良かった」という感想をいただきまました。ダイジェスト版のオペラとは言え、初めて観たという人もあり、ご紹介して良かったと思っています。
 今後も、湘南童謡楽会は、チケットピアならぬ”エチケット・ピア”機能を果たします。音楽関連の良い情報がありましたら、お寄せ下さい。チラシを配布するなどご協力させていただきます。
<ついでにテレビとラジオのオペラ情報を>
 日曜日深夜(月曜未明)に、BS3の「プレミアム・シアター」で何回かに1回はオペラの放映があります。クラシック・コンサートとの組み合わせで。テレビ桟敷で寝っ転がって観るのもいいもんです。番組予告で観たいオペラがあるときなど、夜なべにチャレンジしてみてはいかがですか。
 金曜日午後の、NHKFMはずっとオペラ・アワーです。こちらもお暇なときにどうぞ。イタリア語などで歌われる歌の意味は分からなくていいんですよね(ボクの場合)、今般のスロバキア・オペラのように。

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