第23回月例会報告(8/19)

◆8月19日(月)。残暑厳しい中の例会。会員の皆様には気の毒だなあ、と思っていましたが、約90人の方々が熱心に参加されました。ホッとしました。歌唱指導は久しぶりご登壇の根來加奈さんで、涼やかに粋に会場を盛り上げていただきました。お陰で、8月例会は休会にした方がいいかも(雪が心配の2月と併せて)という運営サイドの迷いが吹き飛んだ気がしました。
いわゆるニッパチ(2月と8月)の悩みですが、会員の方々の熱意・会の盛り上がりを目の当たりにし、その悩みをとりあえずは放逐することができました。「月1回の”歌の外出”を生き甲斐にしている」と仰る会方々のために、初一念をまっしぐらに貫いて行こうと貴重な決意をさせていただきました。有難いことでした。8月、所用で来られなかった方々、このレポートで例会の模様をご想像下さい。
◆スタッフにも諸般の事情で欠員があり、会場アナウンス(陰の声)も代表の私・老鶯が務めました。ケイタイの電源オフのお願いをしたり、「例会の撮影・録音はご遠慮下さい」などのアナウンスをしました。この撮影・録音の問題は以前、「家族に聞かせたいので録音できないか」いう会員様からのお問合せがあって、縷々検討してきた課題。要望にお応えしたかったのですが、外からの干渉や妨害などのリスクや著作権に関する問題などが考えられるため、原則禁止とさせていただくことにし、「原則禁止ですが、OKの場合はそのつどお伝えする」旨お話しました。お問合せいただいた方、どうぞご了承下さいますよう。

◆著作権の問題ですが、私達のテキストである『愛唱名歌』(野ばら社)にある歌を、例えば営利を目的としないわが「湘南童謡楽会」のような会員団体が、会員同士で楽しんで歌うという活動をする場合には、テキスト自体が著作権対応をした上で発行されているので、当該団体は著作権料を支払わなくても良い--というのが以前、JASRAC(一般社団法人 日本著作権協会。Japanese Society for Rights of Authors,Composers and Publisyers)のオフィスへ出向いて確認したJASRACの見解です。ただし、それを録音すると、場合によると録音したものが営利につながる可能性あり、と判断される心配もあるのでは、という識者の意見を聞き、その他の事情も考慮し、会場での録音に慎重を期すことにしたのです。

◆脇道にそれましたが、冒頭の代表挨拶で、私は、以下のようにちょっとした余談を口にしました。・・・・・・<「言うまいと思えど今日の暑さかな」という川柳を思い出します。でも、私はそれを口にしそうになったら、暑ければ暑いほど、「ニコニコ顔で暑さ薄らぐ暑中かな」と言い換えています。外に出て、ぶわーっと熱気に襲われると、顔をゆがめて「うわあ暑い」なんて舌打ちしますよね。でも、私はこれじゃイカンと、「ニコニコ顔だよ、ニコニコ顔」と言い聞かせ、頬をゆるめてニコニコ顔を作るんです。そうすると、不思議なことに、さっと暑さが薄らぎ、しゃきっとして熱気に耐えられる気分になるんです。
で、このニコニコ流は、暑さ対策だけでなく、オウチでも気分がムシャクシャしたり、悩みごとがあったり、難しい本を読むときなどに利き目があるんです。「ニコニコ顔だよ、ニコニコ顔」と言い聞かせて、頬をゆるめて、眉間の皺を伸ばすようにしています。するとすーっと気分が落ち着き、難しい文章もすんなり頭に入ってくるような気がするんです。この宮崎流ニコニコ顔作戦、どうぞ一度お試し下さい。>
◆この日の歌唱指導は根來加奈さん、ピアノ伴奏は浅海由紀子さんでした。プロフィルはのちほどご紹介します、ということで、「さっそく歌の時間へまいりましょう」とトーンを変えて、続けていつもの決まり文句を発しました。以下のように。・・・・・・
<「やさしく、純粋で、味わい深い」童謡や愛唱歌を、今日も皆さんで、心を込めて、思いっきり歌い、幸せな午後のひと時にしたいと思います。では、お待たせしました。根來さんと浅海さんにご登場いただくことにしましょう。根來さん、浅海さん、どうぞお願い致します。>
◆根來さんの時間――。オープニング曲の『故郷』をみんなで高らかに歌ったあと、発声練習です。「パッ、パッ、パッ、パッ、パー」と1オクターブほど昇り下りするシンプルな手短かな練習で、喉がほぐれたかな、というところで即”歌本番”へ移行です。「「パッ、パッ、パー」に続いて、今度は「ポッ、ポッ、ポーです」と軽妙なトークで、学校唱歌『鳩』へ。小気味よい進行です。
前半は「日本昔話」シリーズ、そして後半は「外国の歌」シリーズといった趣きの選曲でした。そして、『われは海の子』では、その歌詞に関して、「不断の花」=3番=は、フダンソウであると解説したり、「丈余のろかい」(丈余の艪櫂)や「百尋」(ももひろ)「千尋」(ちひろ)=4番=の語意を説明したり、歌詞の言葉を大事にする指導ぶり。後半で取り上げた『マイボニー(My Bonnie)』は日本語訳が原語に沿ったものでないので英語で歌ってみましょう、と変幻自在。そして最後に、エンディング曲・ドボルザークの『遠き山に日は落ちて』をしっとり歌って幕でした。
根來さん、6月例会は風邪でダウン(おざきかよさん代役)でしたが、その分をカバーする熱の入れようとお見受けしました。久しぶりの登壇でしたので、以上の通り、ご指導ぶりを概略描写しました。なお上に書いた丈と尋ですが、「丈」は約3メートル、「尋」は両手を広げた長さを意味します。念のため。

(みんなで歌った歌)
*故郷 *夕日 *われは海の子 *浦島太郎 *きんたろう *待ちぼうけ
*女心の歌 *おおスザンナ *手のひらを太陽に *あの素晴らしい愛をもう一度 *マイボニー

◆根来さんと浅海さんのプロフィルは以下。
ソプラノ:根來加奈(ねごろかな)さん
東京芸術大学音楽学部声楽科卒業・同大学院修士課程オペラ科修了。ザルツブルグのモーツァルテウム国際アカデミー修了。イタリア・ミラノにてビアンカマリア・カゾーニに師事。オペラ出演、宗教曲ソリスト、コンサート出演。リサイタル活動等をしつつ2000年より「根來加奈リサイタルシリーズ」を展開中。他に、オペラのプロデュース演劇舞台出演、ラジオ出演、講演会、教育機関の催し物出演等、多彩に活躍している。CD「MISTO」「にほんのうた」「のはらうた」発売中。二期会会員。
ピアノ:浅海由紀子(あさみゆきこ)さん
国立音楽大学器楽学科ピアノ専攻卒業。湯本季美江、渡部美代、井上信子、岡田隆郎の諸氏に師事。「音楽の森ピアノコンサート」に選抜出演(在学中)。「くにたちカンマーコール」のピアニストとして国内外でステージ経験を数多く積む。イタリア、ポルデノーネ市Beata Virgine Delle Grazie教会の招聘で、混声合唱団の同行ピアニストとして1998年より4度渡伊。現在プロ合唱団「日本合唱協会」、アマチュア合唱団、声楽家、器楽奏者の伴奏や室内楽、オーケストラとの共演等幅広く活躍中。

(以上 文責:宮崎)

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