♪第90回月例会報告(11/20)

〇会場は藤沢市民会館小ホール。歌唱指導おざきかよさん、ピアノ伴奏すやまひろみさん。

[この日、歌った歌]
*紅葉 *赤とんぼ *ロンドン橋 *赤いサラファン *故郷の廃家 *シューベルトの子守歌
*埴生の宿 *旅愁 など。

[月報 No.90 要約] [8周年コンサートお陰様で大成功でした。ご支援有難うございました]
●10/31、藤沢市民会館での8周年記念コンサートは200人超の参加者で盛り上がりました。ピアノ独奏とオペラ・アリアなどの独唱というクラシック音楽会でしたので、400人会場は大きすぎないか少し心配でしたが、半分以上の座席が埋まり杞憂でした。それどころかプロ三人の渾身の演奏にみんな魅了され、会場は深い感動に満ち満ちているようでした。皆様にご満足いただけたなら幸いです。やる以上はコンサートを成功させたい、と例会で宣言し結果を出せて嬉しいです。音楽への会員皆様の期待度の大きさも分かり今後の励みになりました。すべて皆様のご支援のおかげです。また4人の会員様がチケットもぎりなどのボランティアをして下さり、感謝の気持ちでいっぱいです。ブラボー! 8周年コンサートです。
●200枚強のチケットには、会の協力者への招待券も何割か含まれていますが、実売分で収支が合ったことをご報告します。会員様によるお買い上げは約130枚で、まとめて5枚も買って頂いた方もありました。お力添え、誠に有難うございました。またスタッフ8人もみな販促に努め、そのお一人が営む「鵠沼茶房」(藤沢市民会館向かい側の喫茶店)では15枚も売って頂きました。記してお礼を申し上げます。
●今回ご都合悪く参加出来なかった方々、どうぞ次回にご期待下さい。今コンサートのプログラムを受付のテーブルに置いておきます。“オペラMEMO”などが参考になるのでは? ご自由にお持ち帰り下さい。

[コンサートを振り返って・・・体験を記憶としてとどめるために]
●アンケートのご回答が15通ありました。有難うございました。何通かご紹介します。
「日ごろ雑用に追われているのでこんなひと時はとても貴重。心から感謝とお礼を申し上げます」(匿名)「今回のコンサートは素晴らしかった。大災害や大事故、事件ばかりのご時世、今日のようなクラシック音楽には心が和みます」(名を伏せます。T・Mさん)、「一流の音楽家の演奏に感動、贅沢な時間を過ごせました」(同上、Mさん)、「ピアノは優しさに溢れていた。オペラはトークも良くとても楽しかった。ブラボー。久しぶりに最高の気分になった」(同上。Iさん)。  ※どれも主催者冥利のご感想です!!
●「今後、どんなコンサートを希望しますか」の問いに対し、次のような答えがありました。「モーツァルトのピアノ曲を10周年記念で」、「今回のような構成が好き」、「チェロ、バイオリン、ピアノの演奏会を」、「ボニージャックス合唱団を」等。 ※全部やり甲斐あり。知恵の出しどころですが、ギャラの問題も。
●「オペラ・アリアを初めて聴いた」(匿名)という回答もありました。宮本史利さんを通し良い機会を提供できて良かったと思っています。 ※NHK・FMラジオ金曜日午後はオペラ尽くし。聴いてみて下さい。
●「私もピアノを弾きます。今85歳、ショパンファンです」と終演後、「アンンケートの代わりに」と私に話しかけてきた鎌倉のK・Aさん(名を伏せます)のショパン蘊蓄を少し紹介しておきます。<ショパンのピアノ曲は“叙情”“望郷”“劇的”に大別され、夫々に該当する「ノクターン」「ポロネーズ」「革命」を髙橋さんは意識して選曲されたはず。高い技量の証です> ※文字にすればざっとそんなお話でした。
●ピアノといえばこの日、髙橋さんが弾いたのはヤマハ。髙橋さんといえば、当会5周年コンサートで伊藤憲孝さんと2人で鎌倉芸術館所蔵の名器、ベーゼンドルファーとスタインウェイを並べて、デュオ演奏をして下さいましたが、これにヤマハやベヒシュタインを加えた名器たちの音の違い(私にはよく分かりませんが)、私と開演前に話題にした会員さんもありました。  ※多士済々の“楽友”、嬉しいことです。
●ピアノはやはりいいなあ! と思わされた最高の想い出は映画『戦場のピアニスト』で流れたショパンの「ノクターン“遺作”」です(今コンサートの髙橋さんの演奏曲。プログラムに同映画のことも書きました)。いやぁ、魂をうたれます! そのショパン、故国ポーランドを離れパリにいた39歳のとき客死しますが、心臓はワルシャワの聖十字架教会の柱の中にあると聞き、私も何年か前に訪ね彼の“望郷”の心を思いつつ静かになでてきました。 ※早逝の芸術家、数知れず。それら早逝にいま関心を深める私です。

[新聞は“物語”の宝庫、「♯withyou~きみとともに」の記事が発するメッセージ]
■標題の「♯withyou。~きみとともに~」はネットの書き込みサイトです。そのタイトルの19/8/18付の朝日新聞・教育欄の記事には、タレント中川翔子さんらの苦悩克服の物語(メッセージ)が一杯です。
【中川翔子さん】中学時代、グループ分かれでうまく行かず、ネガティブになったときブログを始め、嫌な想い出や愚痴でなく楽しいことだけ書こうと決意。好きなマンガやゲーム、猫のことなど学校では見せられなかった自分の好きな世界のことをどんどん書いて行ったそうです。♯withyou精神でこう言います。<「これが好き」「これが最高」って書いているうちに、その楽しい言葉に気持ちが引っ張られていき、共感してくれる人とつながり自分の夢も明確になっていきました。言葉には「言霊」が宿ると思います。だから悪口の連鎖からは距離を置いて、「楽しい」「うれしい」の言葉をたくさん発して欲しい>
【漫画家・押見修造さん】中学時代は萩原朔太郎やボードレールの詩などを読んでいて、周りと話が通じないと感じる中、付き合っていた彼女との関係を母に引き裂かれ、自分はダメな人間なんだという感覚が刷り込まれたとかで、思春期は現時点でも全然終わっていないそうです。♯withyou精神でこう言います。<(自分はダメな人間と思うとき)そこにテーマが詰まっている。「なぜこんなところに生まれたんだろう」とか「なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだろう」とか思うことは、逆に見つめ甲斐があることなんじゃないかなと思います。漫画を描くようになり「誰かに分かってもらえた」と救われました>
【映画監督・橋口亮輔さん】中3の時に両親の離婚を体験、大学生時代に同性愛を自覚したそうです。30歳で同性愛を描いた「二十才に微熱」で映画デビューすると、それを見た人から「死ぬのをやめた」「自分は人と違っていていいと気付いた」などという手紙がたくさん届き、「自分は生きていいんだ」と初めて思えたそうです。そして、♯withyou精神でこういいます。<ものを伝えれば、笑って、泣いてもらえる。絶望の中でも手を伸ばして下さい。握り返してくれる手は必ずあるはずです>
■どうやって前向きになれたか詳しい記述がなくその点は消化不良ですが、3人の前向きコメントは誰にとっても確かな心の栄養でしょう。新聞記事にそんな栄養素を求め毎日目を凝らす私でして、19/9/26付読売新聞・編集手帳が世界の文豪二人を、ズバリ前向きか後ろ向きかの2項で人物評をしていました。
≪人間を端的に言えば、ゲーテは前向き、カフカは後ろ向きだったという。翻訳家の頭木弘樹さんが著書の中で、二人の文学者の言葉を比べている。<人の感情で最も高貴なものは希望です。運命がすべてを無に返そうとしても、それでも生き続けようとする希望です>ゲーテ。<僕は自分の状態に果てしなく絶望する権利がある>カフカ。 どちらが心に響くでしょうかと、頭木さんは問うている。(『絶望名人カフカ 希望名人ゲーテ』草思社)・・・・以下省略≫
■編集手帳が論拠にしたという『絶望名人カフカ 希望名人ゲーテ』が大いに気になります。82歳まで生きたゲーテは名言を沢山残していて、<年齢を取るほど多くのことをなせ>などの前向きの人生訓を当月報でもよく引用しています。また彼の詩は同時代の作曲家に注目され、シューベルトが『野ばら』『魔王』などを名歌曲とし、ゲーテの不朽の小説『若きウェルテルの悩み』を基に歌劇『ウェルテル』をマスネが作曲しています。私達との距離は近いわけで同書を早く読もうと思っています。読めば、40歳で早逝した後ろ向きカフカの実像もほの見えるでしょう。前向き・後ろ向きを越え、彼の心の叫びが聞こえるかも。
■話は飛びます、SNS時代のNewws Paper=新聞の役割はニュースの提供より物語の提供なのではないかと私は思っています。そう思って読むと、新聞は見事なほどに“物語の宝庫”です。
■10月に私、76歳になりました。老骨に鞭打って、否、壮骨のつもりで今後も会を牽引して行く覚悟です。80・90歳になっても“まだまだ”のつもりで行きます。そして“やっと”100歳になったと言いたいです。≪生涯、歌と共に、友と伴に≫が当会の合言葉ですから。♯ Withyou 書き込みには縁遠い私ですが。

(以上。文責 宮﨑)

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