♪第67回月例会報告(9/20)
[1人と1羽(ニワトリ)。ペットの関係を越えて何が見える? ]
●鶏の話をします。烏骨鶏(うこっけい)をご存知でしょうか? 顔のみ黒く全身が白い羽、チャボよりやや大きい鶏(肉は黒色。全身黒羽の種も)。その卵は普通の卵より一回り小さく、高血圧や糖尿病に効能ありとされるスーパー卵で、1個600円(日本橋三越)もしています。その烏骨鶏を部屋でペットとして飼う友人の主婦Sさんの話です――。昨年12月、雌のヒナを購入。シーチャンと名付け、特許付商品のオムツを当てて飼い始めると、あっという間に家族の特別な存在(そう、家族の一員)に。6か月後に卵を産み始め、高栄養の食べ物(穀物と青菜の餌)と良き生存環境(仲の良い4人家族)のお陰で、烏骨鶏の産卵は通常数日に1個とされるのに、シーチャンは白色レグホンや名古屋コーチンなどの産卵鶏並みのほぼ1日1個だそう(冬は産まない)。餌代は月に数百円。家族に“趣味と実益”さらに“笑顔と安らぎ”を与えてくれているとのこと。トリの恩返し! 童話のようなファンタスチックな話!ですね。
●白眉はその生態――。生後2週間で棲家にきたヒナにとって飼い主Sさんは母親。家事の間ずっと後ろからちょこちょこ付いて回る。日中そばを離れない。寝床はSさんの横に敷くペット用マット。そこにうずくまり突っ立って寝る。昼間リラックスする時はマットに少し横になる。産卵は部屋の隅にタオルで設えた産卵場。通常は朝、そこに1時間ほど入り最後は踏ん張って力み、産み落とす。コケーッコッコと興奮して鳴いて任務終了。初卵の光景は感動の極みで、「シーチャン成鳥(せいちょう)したね」(洒落のつもり)と言って労った。そのころからSさんはボス(雄鶏)として認識されだしたようで、シーチャンのボスへの忠誠心は強く、時々Sさんと言い争う中学生の娘さんを威嚇する格好をする。初卵から1か月後、産卵場で産んだ卵を温める抱卵態勢を取った。21日も餌も食べずに営む“行”のような本能行為をさせるのはしのびなく、無精卵でもあるのでSさんは上手に卵を取り出し抱卵を諦めさせたそうだ。Sさんの優しい巧みな対処ぶり!エトセトラ・・・。さて実はSさん、子供時代からインコを飼うなど生き物大好きで、長じて今や幅広い生物種に対する知識の蓄積は誰もが舌を巻くほど。愛情の深さも然り。シーチャンとのことを語るSさんの楽しそうな表情=幸せそうな表情と言ったら無い。“1人と1羽”は単なる飼い主とペットという関係を超えていて、そこにある何かが人生の真の楽しさ・真の幸せなのかな? と私には思えます。人生を楽しむ秘訣は何か?・・・「好きなことを突き詰めることよ」。Sさんにそう教えられる気がします。
[ ”楽しさ”追求のカギは?]
●私たちにとって、人生における楽しみを追究するとは、どういうことでしょうか? そんな思いで一篇のメルヘン譚を書いてみました。まとめに『論語』の孔子の言葉を(何度か書きましたが)以下に。
<知之者 不如好之者 好之者 不如楽之者>
(之を知る者、之を好む者にしかず、之を好む者、之を楽しむ者にしかず)
いかに人生楽しむか!音楽を、童謡・愛唱歌をどう突き詰め、どう楽しむか!それが私達の課題!