♪第66回月例会報告(8/29)

[異常気象で、日本の穏やかで美しい自然が失われ、人の心も荒れすさぶようで]
●皆様いかがお過ごしですか? 今年の夏は7月、カラ梅雨が明けたと思ったら、8月はずっと雨続き、列島各地で豪雨大災害を引き起こし、月の後半には一転して猛暑が荒れ狂い、ほどなく終わろうとしています。異常気象が普通になり、年々異常の度が増すようです。穏やかで美しい日本の四季が失われ、生き辛くなってきたことを実感します。地球が壊れつつあること、その原因は人の強欲にあること――に改めて思いを致す17年の夏です。地球も、大洋も、宇宙(大気圏外)も己の意のままに傍若無人に振る舞う“人の業”がぶつかり合う今日、人類の未来が心配です。このまま行けば・・・と背筋が寒くなります(特に君、君、君、理性の一線は絶対に超えてはならんぞ!)。こんな時代ですが、私達、いかに己を保ち、どう心豊かな安らぎの日々を送るか――その覚悟と知恵が一層大事になってきたと思います。湘南童謡楽会の私達、四季の美しさや優しさを歌を通して感じ取れる立場にいます。そこへ歩み行くための乾坤一擲のアイデアは何か、大いに工夫し探し出したいものです。われら歌友、いざ行かん! ですね。
[ヴェルディさん、あなたの名を汚さぬよう歌います! と誓って]
●「人はなぜ歌うか」を追究した故永六輔さんは、太古の昔から「人は快楽を求めて歌う」のだと結論付けました(10年ほど前の同タイトルのNHK講座)。その永六輔説を私この夏、実体験しました。猪突猛進精神で、「イタリアの名曲を歌う会」(オペラやカンツォーネをイタリア語で歌う会)という同好会の発表会において、ヴェルディの「椿姫」から「プロバンスの海と陸」というアリアを200人の聴衆を前に、不肖私が歌ったのです。17年8月11日午後の5分間を紙上再現します。何か参考になる部分があれば嬉しいです。コーラスおじさんである私の、3か月の特訓によるオペラ・デビューはこうでした・・・・。
5番目の演奏だった私は楽屋で、前の先輩の演奏は耳栓をして聴かず、孤高となって自分の世界に浸り、気持ちを集中させました。そして程・・よく緊張して登場し、立ち位置の周り1mを己の空間として占有し(堂々とした気分で)、名曲を汚さず歌えるようヴェルディを背に背負い(ヴェルディと伴にという気分で)、淡々と(しかし命懸けで)、普通通りにと言い聞かせて歌いました。目立ったドジもなく終了し、演奏後、私は得も言えぬ満足感に満たされました。よく頑張ったなという達成感でしたし、一種異様な快感でした。快感を求めて歌ったわけではありませんが、畢竟、永六輔説と同じ体験をした、と思っています。
[『夏の思い出』が教えてくれたこと]
●同会では最後に出演者11人と会場の皆さんが『夏の思い出』(江間章子作詞・中田喜直作曲)を一緒に高らかに斉唱しました。中田さんとは禁煙運動を共にやり語らいましたが(嫌煙家の中田さんは肺癌で死去)、中田さん・江間さんを背中に意識して歌ったのはいうまでもありません。私達の湘南童謡楽会の例会で童謡や愛唱歌を歌うときもまったく同様です。常にあの作詞家・作曲家の歌を歌っているという意識が大事だと思うのです。このことを強調し、私の“夏の思い出”語りとします。
[湘南童謡楽会の<童謡・愛唱歌ベストセレクション>を9月例会で発表します]
●昨年からほぼ1年がかりでテキスト『愛唱名歌』を基に<私の好きな童謡・愛唱歌>の会員投票を行ってきました。投票をこの8月で締め切り集計して、<湘南童謡楽会 童謡・愛唱歌ベストセレクション>を9月例会で発表します。ベスト10曲とかにするか、1から50~100までのランキングにするか、さらにそれを例会でどう活用していくか。しっかり検討し百花繚乱の活用法を考え出したいと思っています。
[野菜畑を、童謡畑を、己を耕す~Culture(文化)はCultivate(耕す)に発します]
●“耕すジャーナリスト”を高言し、私20年以上も趣味的農業(筑波山麓)をやっています。畑を耕し自らの心も耕すのだと。特に夏の畑作業は辛いです。でも我慢し、手入れをすると野菜はその分だけ確かに実ることをしかと実感しています。そのことを通し私、幾分なりと自己陶冶ができたと思っています。翻って湘南童謡楽会という違った畑でも「己を耕すこと」を心に刻み歩いています。故日野原重明さんの“同胞”への遺言のごとき言葉<いくつになっても今日が一番新しい日>を思い出しながら。

(文責:宮崎)

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